簡単にわかる!ための クラシック音楽解説

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2020年10月

モーツァルト 交響曲第41番「ジュピター」第四楽章 ステップ3(その1)

※この記事は、過去の記事をリメイクしたものです。

皆様に、多くの曲になじんでいただきたいという趣旨で、
形式面だけを見て整理するセグメンテーション(ステップ1)
主要なフレーズの把握(ステップ2)
が多くなっていますが、
もう少し踏み込んで分析すべき曲も多いです。

最初に、モーツァルトの交響曲第41番「ジュピター」の
第四楽章を取り上げます。
この曲は、モーツァルトの最後の交響曲であり、
それだけでも円熟味が感じられるわけですが、
実はすごい仕掛けが隠されているのです。

ちょっと前置き的な話をしますと、
音楽にはメインメロディーを主に
音楽を組み立てていくモノフォニーと、
対等な複数のメロディーの組み合わせで
音楽を組み立てていくポリフォニーという
構造があります。

音楽史的には教会音楽からポリフォニーが発展し、
バッハがその頂点を極めましたが
それ以降は、時代遅れの音楽として、
ポリフォニーはすたれていました。
モーツァルトは作曲家としてのプレゼンスを高める
という点で、ポリフォニーの価値を理解しており、
このジュピター交響曲の第四楽章で
モノフォニーとポリフォニーの融合を試みました。

つまり、この楽章は当時のモノフォニーの
代表的な形式であったソナタ形式
(第一主題と第二主題を中心に音楽を展開する形式)
でありながら、随所にポリフォニーが用いられている
という点で画期的であり、
モーツァルトの作曲技法の集大成と言うべき
比類ない名曲となっているのです。

以下のサンプル音源は私が作成したものですが、
この曲をソナタ形式として見た場合の
第一主題と第二主題をまず確認して下さい。


リスト 「暗い雲」 ステップ0

ピアノ・ソナタの回でも述べた通り、
若い頃のリストはスターピアニスト。
どんな曲でも初見で弾くことができ、
2回目に弾く時には、
それにアドリブで装飾音を付け加えたそうです。
そんなリストは、晩年になると何故か僧籍を取得し、
作る曲も調性の曖昧な、現代的な響きの曲が多くなります。
「暗い雲」もそのうちの一曲。

3分程度の曲ですので、
独特の響きを味わってみて下さい。


シューベルト 交響曲第4番「悲劇的」 ステップ1

シューベルトはモーツァルトとベートーヴェンの
どちらに近い?
私はモーツァルトに近いように感じるのですが
そんなシューベルトが、ベートーヴェン的な
重い交響曲を志向して作った(と思われる)曲です。

第四楽章が聴かせどころと思いますので
重点的に聴いてみて下さい。(22分43秒~)

⇒資料(PDF)ダウンロードはこちら


リスト ピアノ・ソナタ ステップ1

当時、スターピアニストであり、作曲家でもあったリストは、
(失神する聴衆が出たというくらいですから
ジャニーズ並みの人気だったようです)
ピアノ・ソナタを1曲だけ残しました。
これがまた、演奏面では難曲中の難曲。
楽曲形式も通常の3~4楽章ではなく、
単一の楽章なのに、30分位かかります。
まさに、セグメンテーションが必要な曲。

一見、とっつきにくい曲ですが、
主要フレーズを覚えていただければ、
それらが形を変えて繰り返されているのだ
ということがわかると思います。

今回の資料は、JPEGだと見にくいので
PDFファイルをダウンロードしてご覧下さい。

時間のない方は、6分過ぎの
超絶技巧の部分をまず聴いてみて下さい。


簡単にわかる楽曲形式 2 ソナタ形式

ソナタ形式とは次のような形式です。

序奏(ない場合もある)
提示部 第一主題
    第二主題
提示部くり返し(くり返さない場合もある)
展開部(第一主題、第二主題を元に自由表現)
再現部 第一主題
    第二主題
終結部

提示部A⇒展開部B⇒再現部A'という
広義の三部形式です。
提示部をくり返すのは、
ここまでが提示部ですよ、という
作曲家からのメッセージです。

提示部の第二主題は、第一主題と調を変えます。
第一主題が長調の場合、
第二主題は#を一つ増やした(♭を一つ減らした)長調
第一主題が短調の場合、
第二主題は、第一主題と同じ音を使える平行長調が一般的です。

展開部の調は自由です。

再現部の第一主題の調は提示部と同じで
再現部の第二主題は、第一主題と同じ調にするのが一般的です。
(短調の場合は、同じ音の長調)
第二主題へ移行する部分が少し変化することになります。

では、実際に音楽を聴きながら確認してみましょう。
題材はモーツァルトのピアノ・ソナタ第6番の
第一楽章です。

序奏 なし
提示部 第一主題 0:01~ ニ長調(#2つ)
    第二主題 0:36~ イ長調(#3つ)
    (第22小節のソの音に#がつき、
     これでイ長調となりました。)
くり返し第一主題 1:28~ ニ長調(#2つ)
    第二主題 2:03~ イ長調(#3つ)
展開部      2:56~ イ短調
    (長調の続く提示部に対し
     短調から始めたことは効果的です。)
再現部 第一主題 3:30~ ニ長調(#2つ) 
    第二主題 4:06~ ニ長調(#2つ)
    (第一主題と同じ調、慣例通り)
終結部 なし
(※ 調の表記は、対応する時間の時点のものです。)


ギャラリー
  • モーツァルト 交響曲第41番「ジュピター」第四楽章 ステップ3(その1)
  • リスト 「暗い雲」 ステップ0
  • シューベルト 交響曲第4番「悲劇的」 ステップ1
  • リスト ピアノ・ソナタ ステップ1
  • 簡単にわかる楽曲形式 2 ソナタ形式
  • フランク ヴァイオリン・ソナタ ステップ2
  • 簡単にわかる音楽理論 音名
  • サン・サーンス オルガンのための前奏曲とフーガ op.99-1 ステップ0
  • スクリャービン ピアノのためのエチュード ステップ0
解説のリクエスト 他