簡単にわかる!ための クラシック音楽解説

独自の方法 SPT方式により、 クラシック音楽を わかりやすく 解説していきます。

モーツァルト

モーツァルト ピアノ協奏曲第24番 ステップ1

モーツァルトは全体的に長調の曲が多く、
このことが短調の曲を引き立てる効果を発揮しています。
第24番は、憂いを含んだ音の流れが美しい曲です。

初期のピアノ協奏曲では、
ソナタ形式の提示部をオーケストラ全体で、
提示部のくり返しからピアノが入るというパターンが見られますが、
この曲ではピアノの入りが比較的早いと思います。

あと、今回、スコアを見ながら気づいたことは、
私が見たスコアには、
カデンツァ(自由演奏部分)の楽譜はありませんでした。
まさに自由に演奏して下さいということで、協奏曲の先進性を感じました。
(ジャズのアドリブに似ていますが、それにはコード記号は入っていますので
更に自由ということになります。ただし、実際には、過去から受け継がれている
カデンツァの楽譜がいくつかあり、その中から選ぶことも多いです。)

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モーツァルト 交響曲第41番「ジュピター」第四楽章 ステップ3(その3)

第一主題、第二主題と主要なモティーフを把握
していただいたところで、
一度、第四楽章全体をざっと聴いておきたいと思います。
(参考動画では24分07秒から)
簡単にセグメンテーションしておきますと、

序奏 なし
提示部 24分07秒 第一主題 C
    25分05秒 第二主題 G
展開部 26分13秒      G
再現部 27分08秒 第一主題 C
    27分47秒 第二主題 C
経過部分28分59秒      F
終結部 29分09秒      C

終結部がこの楽章の聴きどころとなります。
詳しくは改めて解説いたします。





モーツァルト 交響曲第41番「ジュピター」第四楽章 ステップ3(その2)

前回は、交響曲で使われる基本的な形式の
ソナタ形式としての側面から、
第一主題、第二主題を見ていただきました。
そして、この交響曲のこの楽章は
複数のパートを対等に扱う
ポリフォニーの側面も有するということでした。
その素材となる5つのフレーズを
まず認識していただきたいと思います。
M1は第一主題の一部
M4は第二主題の一部です。
また、M5、M2は第二主題のバックで
演奏されます。
(その際、M2は動画とキーが異なりますが)
これらの素材がどう活用されているかを聴くのが
この曲を聴く楽しみというわけです。

モーツァルト 交響曲第41番「ジュピター」第四楽章 ステップ3(その1)

※この記事は、過去の記事をリメイクしたものです。

皆様に、多くの曲になじんでいただきたいという趣旨で、
形式面だけを見て整理するセグメンテーション(ステップ1)
主要なフレーズの把握(ステップ2)
が多くなっていますが、
もう少し踏み込んで分析すべき曲も多いです。

最初に、モーツァルトの交響曲第41番「ジュピター」の
第四楽章を取り上げます。
この曲は、モーツァルトの最後の交響曲であり、
それだけでも円熟味が感じられるわけですが、
実はすごい仕掛けが隠されているのです。

ちょっと前置き的な話をしますと、
音楽にはメインメロディーを主に
音楽を組み立てていくモノフォニーと、
対等な複数のメロディーの組み合わせで
音楽を組み立てていくポリフォニーという
構造があります。

音楽史的には教会音楽からポリフォニーが発展し、
バッハがその頂点を極めましたが
それ以降は、時代遅れの音楽として、
ポリフォニーはすたれていました。
モーツァルトは作曲家としてのプレゼンスを高める
という点で、ポリフォニーの価値を理解しており、
このジュピター交響曲の第四楽章で
モノフォニーとポリフォニーの融合を試みました。

つまり、この楽章は当時のモノフォニーの
代表的な形式であったソナタ形式
(第一主題と第二主題を中心に音楽を展開する形式)
でありながら、随所にポリフォニーが用いられている
という点で画期的であり、
モーツァルトの作曲技法の集大成と言うべき
比類ない名曲となっているのです。

以下のサンプル音源は私が作成したものですが、
この曲をソナタ形式として見た場合の
第一主題と第二主題をまず確認して下さい。


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