シューマンはバッハを大変尊敬していたので
その作品には,対位法が多く取り入れられています。
ただし、バッハのような、厳格な形式のフーガなどはあまり多くなく、
この曲の第一楽章に見られるような
短いモティーフをカノン的に扱う部分が多いと思います。

参考動画では01分08秒から
第一主題の冒頭の2小節を
第二ヴァイオリン⇒第一ヴァイオリン⇒
第二ヴァイオリン⇒チェロ⇒
第二ヴァイオリン⇒第一ヴァイオリン⇒
第二ヴァイオリン⇒チェロ
とカノンで追っていくのが、弾いている姿を見てもわかります。
同じように、
提示部のくり返しで02分51秒から
再現部では05分55秒から。上記の半分の長さで再現されます。
この部分が魅力の一つ。

一方、(バッハ並みの対位法で作曲したいという)
シューマンの希望とは裏腹に、シューマンの魅力は躍動感にあり、
はつらつとした第四楽章がシューマンらしいと言えるでしょう。

時間のない方は、上記のカノンの部分と
第四楽章を中心に聴いてみて下さい。

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